Begins to quiet.

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「…それはホンマか」 美空は顔の前に持ち上げたサッポロビールのジョッキの向こうで、目付きを鋭くする。 「東雲が明後日からスクランブルに着く。今日、お前とやらせたのはその為だ」 「背広は何を考えとるんや。ヒヨッコなんか上げられるかボケ」 サッポロビールのジョッキを叩きつける美空。 「同感だ。だが背広は待ってくれない。明日にでもお前にスクランブルの訓練を頼みたい」 朝井は真っ直ぐに視線を向ける。 「そないなもん、自分でやれるやろ。俺もお前もヤツガシラの一人や。実力は変わらへん」 美空は目線を朝井から外し、肘を付いた。 「機体カラー、美空は洋上迷彩だろ?フランカーに近い機体でやりたい」 「…ちゅうことは、土岐もやな」 「やってくれるか」 朝井の右の口角が上がる。 「よう考えれば、アグレッサーの役目はドッグファイト相手だけちゃうわな。引き受けたるで」 ヤレヤレと溜め息を吐いて頷いた。 「恩に着る」 「水臭いわ。ほな、高宮の奢りや。飲んどかんと損やで」 美空は朝井のグラスにニッカのウイスキーを並々と注いだ。氷の回る軽快な音が、2人の心に染み入る。  
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