Vol.3 重なる偶然

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「今度のテストもトップは譲らない」 そんなにトップを守りたいなら、大事な時に何であんな場所にいた? 昨日は夜の街に繰り出してた上に、熱で勉強なんて出来る状態ではなかった。 具合悪い以前に男と会ってる場合じゃないだろ。 そもそもこいつは、何で好きでもない男と付き合ってたんだ。 理解しきれない水野に、溢れ出す疑問を投げかけた。 「そんなにトップになるのが大事か?」 「大事よ。周りもそう望んでるでしょ?」 周りか…。 コイツの親がそう望んでるのだろうか。 それだけじゃないな。 学校側も間違いなく望んでる。 水野なら有名な大学に進学するんじゃないかって、いや、絶対にそうなって欲しいと願ってる。 学校の名声の為に…。 「じゃ、何であんな所にいた?」 「しつこく付き纏われた男を切る為……モタモタしてられないもんね」 思い出したように付け足した言葉。 モタモタを強調すんな。 「モタモタしようが、試験前に会う必要はないだろ。そんなんでトップ保守出来んのか?」 「大丈夫でしょ。天才? だから」 矢継ぎ早の質問にも、笑顔でサラリと答えていたはずの水野は、次の質問で表情を変えた。
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