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「今度のテストもトップは譲らない」
そんなにトップを守りたいなら、大事な時に何であんな場所にいた?
昨日は夜の街に繰り出してた上に、熱で勉強なんて出来る状態ではなかった。
具合悪い以前に男と会ってる場合じゃないだろ。
そもそもこいつは、何で好きでもない男と付き合ってたんだ。
理解しきれない水野に、溢れ出す疑問を投げかけた。
「そんなにトップになるのが大事か?」
「大事よ。周りもそう望んでるでしょ?」
周りか…。
コイツの親がそう望んでるのだろうか。
それだけじゃないな。
学校側も間違いなく望んでる。
水野なら有名な大学に進学するんじゃないかって、いや、絶対にそうなって欲しいと願ってる。
学校の名声の為に…。
「じゃ、何であんな所にいた?」
「しつこく付き纏われた男を切る為……モタモタしてられないもんね」
思い出したように付け足した言葉。
モタモタを強調すんな。
「モタモタしようが、試験前に会う必要はないだろ。そんなんでトップ保守出来んのか?」
「大丈夫でしょ。天才? だから」
矢継ぎ早の質問にも、笑顔でサラリと答えていたはずの水野は、次の質問で表情を変えた。
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