第1章 Vol.1 日常

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俺が2-Aの副担になって5日が過ぎた。 特別変わった事は何一つないが、教師である以上、気を引き締めなきゃならない事も山ほどある。 それを継続するってのは大変なわけで… 他の先生や生徒の目を盗んでは、屋上の片隅で煙草を吸いながら束の間の休息を自分に与えている。 普段から立ち入り禁止だと生徒達には口を酸っぱくして言ってるせいか、この屋上に入って来る奴は殆ど居ない。 居ないはずなんだが…… ─────バタン! 誰だ? 突然聞こえてくる扉が開く音。 タンクの裏にいる俺からは、入って来た人物が誰なのか視界に入らない。 それでも、相手は俺が此処にいるのを知ってるかのように、その足音はどんどんこっちへと近付いてくる。 「先生、見っけ!」 ニッコリ笑い俺を指差す女子生徒の足が、俺の目の前で止まった。
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