Vol.23 繋がる瞬間、永遠に……

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「俺がどんな想いでいたか分かるか? 特にあの写真見せられてからはどんだけ焦ったと思ってんだ! 連絡取りたくてもおまえは出ねぇし」 「写真?」 「トボケんなよ。林田に渡した写真だ!! 誰だ、あの金髪ヤローは!!」 「あぁ、アレね」 「何を呑気に 『あぁ、アレね』 だっ!! 随分と親しそうにしやがって」 「仕方ないでしょ? アレしか写真ないのに、由香がそれでいいから寄こせって煩さかったんだから」 「へぇ、なるほどな。それを俺が見るとは知らずに、親しげな男との写真を渡したわけだ。 で、その男とはどういう関係だ? 俺は寛容な男だからな、正直に話せば今回に限り大目にみてやる」 これ見よがしに盛大な溜息をついた奈央が、 「どこが寛容なんだか……」 と嘆いたけど、そんなもん聞こえないふりだ。 「あのね、果てしなく妄想を繰り広げているところ悪いけど、彼とは何もないから」 「何もないのに肩抱き寄せられて頬にキスまでさせんのかっ? つーか、何度もそう溜息つくなっ!!」 溜息つきたいのは俺の方だっつーんだよ。 しかも、大目にみてやるって言ってんのに、誤魔化すならもっとマシなこと言え!! 言葉にせずに反論を繰り広げる俺に、奈央は意味不明な言葉をぶつけてきた。 「私は女だから無理」 「なに当たり前なこと言ってんだよ。周りが放って置けないほどいい女だから、ああ言う変な虫が近寄ってくんだろうが!!」 「だから!!」 一瞬だけ俺に負けじと声を張り上げた奈央は、まんまと俺の勢いを封じ込め、また静かに真相を明かした。 「彼の恋愛対象は女性じゃないってこと」 「…………へ?」 「彼は男性しか愛せないの」 「……や、だって……奈央にキス……」 「ねぇ、敬介? 私が行ってた所は何処?」 「……N.Y」 「そう、N.Y。なら分かるはずよね? ハグが海外では挨拶だってことくらい、大企業の専務であろう人が当然理解出来る範囲内だと思うけど?」 「うっ……」
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