ランチの客

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「うむ。プレゼンの運びは、それでいいとして、その【ガ】は何とかならんのか?」 「はっ?」 「いや、はじゃなくてガの話だ」 「ガ……ですか?」 「そうだ。そのガだ。まるで外国人から説明を受けているようで聞き苦しいんだよ。日本人なら、そこは鼻濁音だろう」 「ビ……ビダクオンって何ですか?」 「だから……当社【ガ】施工すればではなくて……当社【が】だ。鼻に掛かるように発音するんだ」 「当社ぐア……こうですか?」 そんな会話を聞かされて、私は吹き出しそうになった。私がカウンターの中で洗い物をしていた時のことだ。
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