突然死

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結局マスターは、立板さん達が店を出て間もなく入れ違いで帰って来た。 「ユキちゃん、済まなかったね。自治会の区長が急に亡くなったもんだから」 「あらっ、それは大変 ! 区長さんて……私は知らない人ですよね? このお店へは」 「いや、見たことはあると思うな。たまに自治会の役員と一緒に顔を出してくれてたから。いつも、ニコニコしながら店の前まで猫を抱いて現れる」 「あっ、あの人……」 私は、ずんぐりむっくりで頭髪の無い好好爺(こうこうや)の風貌を思い起こした。 「病気だったんですか? 事故ですか?」 余計なお世話なのだが思わず私は問いかけてしまった。
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