助け屋

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暗い路地を、1人の少年が重い足取りで歩いていた。 「なんでこんなことに…僕はなんにも悪いことなんてしてないのに…。」 少年はなんどもそう呟きながら、ゆっくりと歩いていた。 少年が今歩いている道は、普段は決して通らない道だった。落ち込んだ気持ちが、たまたま少年をこの暗い道に引き込んだのだ。 そして少年のこの気まぐれは、幸か不幸か、少年の人生を大きく変えることになる。 少年が歩いていると、両側に並んでいる商店街の一角に、一際古い建物が見えた。そして看板には、『助け屋』と書かれている。 「助け屋…?」 『内容問わず。あなたをお助けします』 店の前にそんな貼り紙が貼ってあるのを見た少年は、いつの間にかその店の扉を開いていた。
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