佐天「小足見てから昇竜余裕になる能力かぁ」

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29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12 /15(水) 00:52:43.80 ID:vHAiBYC/0 ジュースの入った紙コップが、一回転しながら床に落ちていく……。 その様子が、佐天にはまるでスローモーションビデオを見ているかのように分かったッ。 パシッ! 佐天「……ふぅ、間に合った」ホッ 佐天の手には、男子生徒が落としたジュースが握られている。 中身は無事だ。 男子生徒「ご、ごめん、大丈夫だった?」 初春「あ、こちらこそ、前を見てなくて……ごめんなさい」 佐天「はい、これ」サッ 男子生徒「ありがと。 助かったよ、それじゃ」 初春「はぁ、不注意だったなぁ……。 それにしても佐天さん、今の凄かったですねっ」 佐天「うん、能力が目覚めてからさ、動体視力とか直感が、以前とは比べ物にならないくらい冴えてるんだよね」 初春「へー! 佐天さん、今すっごく頑張ってますもんね! この勢いならレベルアップもすぐなんじゃないですかっ?」 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12 /15(水) 00:55:27.65 ID:vHAiBYC/0 佐天「うん……、正直言うとね、次の能力測定は自信があるんだ……。    前よりも絶対良い結果を出せると思う。    現金だよね。 ちょっと前まで、『能力測定なんてなくなればいいのにー』なんて言ってたのにさ」 初春「佐天さん……」 ガシッと、初春は佐天の両手を握り締めた。 初春「レベル0だった佐天さんは、今まで十分苦しみました。     きっと、その想いがバネになってくれるはずです!     これからはきっと上手くやれます! 私、応援します!」 佐天「初春…、ほんとあんたって……いい子だよねっ」 佐天は、わっしわっしと初春の頭を撫で回した。 初春「わっ、やっやめてくださいよ~。花が取れちゃいます~」 佐天「……初春、あたし、きっと強くなってみせる……」 初春「佐天さん……?」 佐天のその目は、初春ではない、どこか遠くを見つめていた。
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