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「ちょっとお父さん。驚かさないであげて」
家の中から優しい声が聞こえた
「だって男が夏希を迎えに来たんだよ~」
お父さんと呼ばれた人は眉間のしわを一瞬で消すと優しい声の主に抱きついた
その声の主はすごく夏希に似た女の人だった
夏希の母親だ
じゃあその母親に抱きついているのは父親だろう
「驚かしてごめんなさいね。この人、夏希が大好きだから」
「いえ…」
「夏希の男か!?あ゛?」
親父さんはやくざかと思うぐらいの形相で俺を睨んだ
俺が答えようと口を開くと
「お父さん、やめてよ」
階段から夏希が降りてきた
「…夏希。体調はいいのか?」
親父さんは心配そうに夏希に駆け寄った
「大丈夫。今日は学校に行くね」
「送ろうか?」
「大丈夫」
夏希は靴を履いて2人に手を振った
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