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俺は携帯のカメラのシャッターを押した
パシャっという音がすると夏希が驚いた顔をした
「弁当食ってる夏希」
「なんで撮るの…」
困った顔の夏希の頭を撫でた
「…忘れたくないから」
1年後、夏希が居なくなるとは限らない
病気が治る技術があるようになるかもしれない
でも正直怖い
だからこの時この時を大事に
写真を撮らなくたって夏希を覚えている自信はあるけど、残しておきたいんだ
「じゃあ私も」
いつの間にか携帯を向けられていて写真を撮られた
それから俺たちは顔を見合わせて笑った
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