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季節は巡って秋がきた
夏希は前よりも学校に行く回数が減っていた
そんなある日
いつものように学校の帰りに夏希の家に寄ると親父さんが俺を待ち構えていた
「お前に話があるんだ」
前より優しい口調だった
親父さんに呼ばれてリビングのソファーに腰を降ろした
「信じたくないけど…夏希はもう長くない」
聞きたくない言葉だ
1年は生きられないとはいえ、まだ半年しか経っていない
「…夏希にいい思いで残してやりたいんだ。よかったら、少しでも長く一緒に居てやってくれないか?少しでも夏希が長生きするかもしれないから…」
反対していたはずの親父さんがそんなことを言ってきた
「来月から入院するの。よかったらお見舞い来てね」
お袋さんが微笑みながら言った
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