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目を開けた
お母さんが優しい目で微笑んだ
そんなお母さんの後ろに七瀬くんが居た
「私、お父さんと先生のところに言ってくるね。七瀬くん、よろしく」
「はい」
お母さんは居なくなって2人っきりになった
「お母さんが呼んだの?」
七瀬くんは頷いた
「なんで来てほしくないの?」
七瀬くんは私の近くの椅子に座った
「夜、遅いから。…それに、まだ死なないって思った。だからそんなに急いで呼ばなくて大丈夫だって…」
しゃべっている途中七瀬くんを見た
七瀬くんは唇を強く噛んですごく恐い顔してた
恐くて言葉が出なくなった
「…辛いとき俺の名前を呼んで欲しかった。俺に頼って欲しかった。なにも出来ねぇけど、手握ってやるぐらいはできる。…それじゃだめなのかよ。それが彼氏ってもんじゃないのかよ」
七瀬くんの言葉はいつも私の胸に突き刺さる
気がついたら泣いてた
「…ごめん」
七瀬くんが謝った
七瀬くんが恐いわけじゃないよ
七瀬くんの言葉が嬉しかったから
こんなに私のこと思ってくれている人が居るんだって
私の為に怒ってくれる人が居るんだって
すごくそれは素晴らしいこと
それがすごく嬉しいんだ
「ありがとう、七瀬くん」
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