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そろそろ七瀬くんの来てくれる時間
「こんにちは」
「あれ?」
七瀬くんじゃない
少し髪の毛をツンツンさせている男の子
七瀬くんと同じ制服だ
「俺は七瀬の友達の土屋春樹っす。よろしく」
土屋くんは私の手を掴んだ
「よ、よろしく」
「俺が居ない間になにしてんだよ」
七瀬くんの声がしてそっちを見ると優しく微笑んでいた
「あいさつだよ、あいさつ。」
「いい加減、手を離したら?」
七瀬くんに言われてまだ手を握られてることに気がついた
「はいはい」
土屋くんはそういって私の手を離した
「俺が花屋に行ってる間にいなくなりやがって」
「看護婦さんに部屋聞いたんだ」
土屋くんはにやにやとしている
「ナンパでもしてたんだろ。」
「正解。俺、年上好きだから」
七瀬くんは呆れたようにため息をついて私の方を見た
「花かえておくね。リンゴ持って来たけど食べる?」
私の見舞いにくるたびになにか持ってきてくれる
なんだか急に申し訳ない気持ちになった
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