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そんな中、一縷が芹沢の後ろからひょこっと顔を出しとてとてとその面々のほうに歩いていく。
《どうした、一縷》
蓮も芹沢も不思議そうに一縷を見る。
騒がしかった面々も静かになり一縷をじっと見た。
やがて一縷がある人物の前に立つとその人物に抱きつき呟いた。
「…にぃに」
「「「は?」」」
「ん…」
抱きつかれた本人は驚くわけでもなく一縷の頭を撫でる。
その様子を見ていた蓮は、あー、とその人物を見ながら思い出したように呟いた。
《よく見れば斎藤は零夜にそっくりだな》
「一縷の兄か」
芹沢は納得したように呟くが他の面々は正に目が点状態である。
やがて斎藤から離れると斎藤をじーっと見上げる一縷。
「…名は?」
斎藤がぽつりと尋ねると一縷はふにゃりと笑みを浮かべて言った。
「一縷」
「一縷、だな…。」
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