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ふにゃりと可愛らしい笑みを浮かべる一縷に斎藤は僅かに笑みを浮かべるとその頭を優しく撫でる。
「さ、斎藤と…会話してる…」
その様子を呆然と見ていた近藤派の人間は二人を交互に見つめる。ただし沖田以外は。
斎藤はそれこそ剣の腕は新選組内で一、二を争うほどであったがなにぶん会話が通じない。
というか人の話しを聞いてるのかも分からない。
一つ聞けば全然違う答えが帰ってくるのだ。
しかも長文は喋ろうとしないしいつも無表情なため隊士の中では『斎藤隊長って格好いいよな』とか言われていたりするのだ。
それ故、斎藤が一縷と会話していられるのが不思議で仕方ない。
一縷はすっかり斎藤に懐いてしまったのかすりすりと斎藤の胸に頬ずりしている。
「…猫だ」
「……」
「うわっ、総司!?何やってんだ!?」
いつ起きたのかいつの間にか一縷を凝視していた沖田がポツリと呟くと一縷と斎藤に抱きついた。
斎藤は何も言わず大人しく抱きつかれ原田が驚いたように沖田に声を上げる。
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