さん

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「わんちゃんおいでー」 平助に至っては未だ蓮に手を広げにこにこと笑っていた。 《狼だ!》 「ほら、やっぱ狼やんか。」 全員が好き勝手やってるせいか収集がつかなくなっているのだがいつも宥める役の井上は微笑ましい笑みを浮かべ見守っている。 「ああ、もう…お前ら黙れ!じっとしてろ!話が進まねえ!」 やがて今まで黙っていた土方が一喝してその場はなんとか収まった。 「で、芹沢さん。何がどうなってこんなことになったんだ?」 ああ、と芹沢は一つ頷き斎藤にくっついている一縷に手招きする。 一縷は大人しく斎藤から離れ芹沢のもとへ行くとその膝の上にちょこんと座った。 「か、かわ…っ」 その様子を見ていた沖田は真っ赤になりながら鼻を手で押さえている。 「おい、総司ってあんな趣味あったか…?」 「いや、総司は昔から猫と子供大好きだろ」 永倉と原田がそんな沖田を見てこそこそと耳打ちをしながら話していたが芹沢の咳払いで黙った。 部屋が静まったのを確認すると芹沢は一縷の頭を撫でながらここまでの経緯と一縷の過去についてすべて話し出す。
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