雪華の如く

さん

時折、蓮が付け加えながらもすべてを話し終えた頃には皆一様に真剣な表情で黙りこんでしまっていた。

しん、とした静寂の中最初に口を開いたのは土方。

「にわかには信じがたいが現にこの狼は喋ってるし芹沢さんの言うことだ。嘘ではないだろうな」

はあ、と重いため息をつきながらも困ったような表情を滲ませる。

「芹沢さんは嘘は仰らない方だからな。とにかくどういう経緯で芹沢さんに娘が出来たのかも理解できたし何よりだ」

近藤も優しげな笑みを浮かべて続けた。

「そうですね。最初は芹沢さんが誘拐でもしてきたのかと柄にもなく焦ってしまいました」

悪戯っぽい笑みを浮かべながらふふ、と笑う山南。

その三人の発言に徐々に室内の空気も緩みだし皆一斉に息を吐き出す。

張りつめていた空気が緩んだことにより皆の緊張も一気にほぐれたのだ。