さん

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「だが芹沢さん、此処は女人禁制だ。そいつを此処に置くのは…」 「儂の娘が此処に居て何が悪い」 土方の言葉に当然のように言い返す芹沢。 確かに芹沢の娘にはなったわけだが壬生浪士組は女人禁制なのだ。 そう簡単に置くわけにはいかない。 「土方さんはこんな可愛い子を捨てて来いと言うんですか!」 渋る土方に声を上げたのは沖田。 何時の間に芹沢の横へ移動していたのか一縷を抱き締め乍土方を睨む。 此れには土方も詰まってしまうがやはり許可の言葉は出ない。 「トシ、こんな小さな子を放り出す訳にはいかないだろう。其れに訳ありなんだ。特例として認めてやったらどうだろうか」 近藤も困ったように笑い乍一縷の頭を撫でた。 「……副長」 極め付けには恨めがましい目を土方へと向けていた斎藤。 「あー、分かったからそんな目で見るな斎藤!」 土方は思わずぶるりと身震いしながら斎藤から視線を外す。 「一のあの視線は怖ぇよな」 永倉がぼそりと漏らせば原田も同意するように頷いた。
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