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少し歩き始めたところで話しかけた。
「梨乃ちゃんって家どっち?」
「あっちだよ。高瀬くんは?」
「俺もあっち。この辺結構暗いよね。」
「うん。一人だとちょっと怖いから助かった。」
控えめに笑う梨乃ちゃん。
きっとヒールを履いてもカツカツ鳴らしたりしないんだろうな。
「あのね…あたし音痴なの。」
「え?」
唐突な言葉に驚いた。
「二次会、カラオケって言ってたでしょ?音痴だから普段カラオケ行かないし、どうしたらいいか分かんなくて帰ることにしちゃった。親が厳しいのは本当なんだけど。」
「実は俺もカラオケ苦手だから帰るって言った。」
「そうなんだ!苦手な人がいてくれてよかった。」
「そうだね。最後に行ったのは、たぶん高一かな。」
「そうなんだ~。」
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