出会い

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終業式が終わり外に出ると、相変わらず蝉の声が五月蝿い。 もはや暑いという言葉を発することすら面倒くさい。 「明日から夏休みか。」 ふと空を見上げ、目を瞑った。 夏休み、暑い、課題、バイト、暑い、黒髪の小谷先生―――。 そこでパッと目を開く。 頭の中で最後に浮かんで来たのは、彩愛さんの顔だった。 まだ、それしか知らない―――左手の薬指にも気が付かなかったあの頃。
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