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「てゆーか、葵がこんな状態なら、もっと早く会いにくればよかった。」
見上げると、ぷうっと頬を膨らませて、拗ねたように淳也君が言った。
「・・・。
ごめん・・。」
なんだか、恥ずかしくて、抱きついたままの淳也君の胸を押して、離れた。
「なんで、電話してくれなかった?
俺のほうは、かなり我慢してたのに。」
「えっ?
だって、淳也君が朝起きたらいないから・・・?」
「・・・葵が勉強に集中したいってゆったじゃん。」
慌てている私の頬を両手で包んで、じっと顔を覗き込む。
「でも、我慢した甲斐があった。
葵、就職、桜総合病院に決まったんでしょ?
偉いね。」
「うん・・。
学校の付属の病院だから、学費が免除になるし・・。
里美さんの件でも、お世話になったから・・。」
久々のアップの淳也君にどきどきしながら、眼をそらす。
・・・って、あれ?
「なんで淳也君が知ってるの?」
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