620人が本棚に入れています
本棚に追加
/217ページ
ひとしきり掃除を終えて、事務所に戻った。
りかちゃんとのコンビは息がぴったりで、仕事がはかどる。
自然に分担ができていて、開店前にはほとんどの業務がさっくりおわってしまう。
事務所の前で、モップについたごみを払いながら、りかちゃんはなにやら嬉しそうに振り向いた。
「そういえば葵ちゃん、新しい人入れるって知ってる?」
「へえ。
確かに今のシフトじゃなかなか休めないもんね。楽しみだね。」
カウンターを整理しながら顔をあげると、りかちゃんがじっ‥とこちらをみる。
「実はさ、りかの知り合いの子なんだ。葵ちゃん、仲良くしてあげてね。」
りかちゃんのか‥
派手に巻き上げた、りかちゃんの髪をみながらなんとなく不安になる。
「いい子だからさ。」
あわてて付け足すりかちゃんに、思わず笑った。
最初のコメントを投稿しよう!