新風

4/32

620人が本棚に入れています
本棚に追加
/217ページ
ひとしきり掃除を終えて、事務所に戻った。 りかちゃんとのコンビは息がぴったりで、仕事がはかどる。 自然に分担ができていて、開店前にはほとんどの業務がさっくりおわってしまう。 事務所の前で、モップについたごみを払いながら、りかちゃんはなにやら嬉しそうに振り向いた。 「そういえば葵ちゃん、新しい人入れるって知ってる?」 「へえ。 確かに今のシフトじゃなかなか休めないもんね。楽しみだね。」 カウンターを整理しながら顔をあげると、りかちゃんがじっ‥とこちらをみる。 「実はさ、りかの知り合いの子なんだ。葵ちゃん、仲良くしてあげてね。」 りかちゃんのか‥ 派手に巻き上げた、りかちゃんの髪をみながらなんとなく不安になる。 「いい子だからさ。」 あわてて付け足すりかちゃんに、思わず笑った。
/217ページ

最初のコメントを投稿しよう!

620人が本棚に入れています
本棚に追加