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「海里‥私やっぱり海里が好き。」
またか、という顔で海里は私を見る。
「分かってるよ、葵の気持ちは。でもいつも言ってるだろ?
お前は俺のことなんて好きじゃないよ。」
「違うよ!こんなに私は高校の頃から海里しか見てないじゃない!
こんなに毎日会うのは、私が海里を好きだからだよ?
海里は私と、本当に友達のつもりで会ってるの?」
だめだ‥
またいつもの繰り返しだ。
こんなんじゃ、前に進めない‥
「・・・もう、会わない方がよくない?」
爆弾を落とした。
半分本気。
・・でも本当に会わない方がいいなんて、思っていない。
そんな私の気持ちを見透かすように、穏やかな瞳で海里は私の瞳を覗き込んだ。
「‥本気でいってんの?」
「だってつらいよ!こんなに一緒にいるのに、好きって言ってるのに。
‥もう5年もこのままじゃない。
彼女にしてくれないなら、もう・・。」
「お前の気持ちってその程度なの?そうやって会わないって決めて終わりにできる?」
・・多分、無理。
どうせ、また、私から海里に会いたいってすりよるだろう。
海里の特別になれなくても、側にいるだけで・・って、また繰り返してしまうかもしれない。
だって、私にはもう、海里しかいない。
黙ってる私に海里は、よしよしと
頭を撫でる。
私の必死な決意が小さくなっていく。
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