1010人が本棚に入れています
本棚に追加
男が目を覚ましたのは暗闇の中だった。
凹凸もなければ、果てもなく、自分が床で寝ているのかも分からない。ただただ真っ暗な黒一色の世界。
「……どこだ……ここ」
少し軋む体を起こして周りを見渡し、ふつふつと沸き上がってくる疑問をまとめていく。
ここはいったい何処なのか? 何でこんな所にいるのか? ってゆーか意識が無くなる前に何があったっけとか。
「やべぇ、何が何だかわけ分かんねぇ。マジウケるwww 」
現状が全く分からないという状況でとりあえず笑っていると、足元の方で何かが動いた。
「おぉ、主も起きていたか」
足元からひょっこりと姿を見せたのは、こじんまりとした黒い毛並みの生物だった。
猫のようで猫じゃない、だけどちょっぴり猫っぽいその生物は主と呼んだ男の肩に上がり、話を続けた。
最初のコメントを投稿しよう!