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「主、何か思い出したところ悪いが、ちょっと前を見てくれ」
男の言葉を遮って発せられた言葉は、お供によるものだった。
お供の言う通り前を見てみると――そこには一人の少女が倒れていた。
比較的小柄な背丈に整った顔立ち、出るところは出て引っ込むところは引っ込んでいる体型、そして緩くウェーブのかかった艶のある銀色の髪。
その少女はただ気を失っているだけのようで、口元からは呼吸の音が聞こえる。
「主、この少女を見てどう思う?」
「すごく……美少女です」
「いやそうじゃなくて、さっきまで私達以外に誰もいなかったんだぞ?いつの間にいたんだ?」
「あー……そーゆーことか。だったら多分――」
「――その子も死んだんじゃない?」
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