新たな日常②

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「しっかし……あの量を本当に食べきっちゃうなんて、その細身のどこに収まってるんだろうね」 「色んな世界から色んな物が流れ着いてるって話だもの。人外魔境の一人や二人、いてもおかしくないわ」 「何だお前ら、クソ失礼な。言うに事欠いて人外魔境とは何事か」 「「いや、事実でしょ」」 「さ、さすが双子……息ぴったりだな。その断定は納得いかないが」 食事を終えた一行は他愛のない会話をしながらも学校案内ツアーの続きに向かっていた。 この学園、広大な敷地を有するがゆえに移動にかなり時間がかかるかと思いきやそんなことはない。 理由は校内の至るところに転送陣が設置されているからである。 この存在によって本来数十分歩かなければいけない距離でも一瞬で移動できてしまうのだ。 ゆえに特に必要のない場所を除けば食事をした後でも割と余裕を持って回ることができるのである。 「んー…学園の仕組みとかはうちとそんな変わりないんだな。俺としてはあの『ラウル盛』てのうちの学食でも取り入れてほしいけどwww」 「あんなのあっても使う人が……ああ、グリッツがいたわねそういえば。いつもちまちま食べてるイメージだったし、丁度いいのかも」 「だろー?よし、こっちに来てから最初の収穫だなwww」 「その報告はジークからしてよね。私はそれに関与しないから」 素っ気なく言い切るヴィクターに『そんなこと言わないでくださいよヴィクトーリアお嬢様ーwww』とおどけていったジークの脇腹へ鋭い肘が入る。 それに対し『イタァイ!www』とふざけた悲鳴を上げるジークにはヴィクターの冷めた視線が向けられていた。
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