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そんなラウルとジークの会話を目の当たりにして、ハンナはどこか嬉しそうな笑顔を浮かべる。
それを向けられた張本人は、何故ハンナがそんな笑みをこちらへ向けているのかが分からなかった。
ハンナもその様子に気付いたのか、軽く頭を振っていつもの凛とした姿へと戻る。
「いや、すまない。仲が良いなと思ってね。君は普段誰ともつるんでいないと噂に聞いていたから、少し心配だったんだ。
けどそれが杞憂に終わったようで何よりだよ。ジーク君以外の三人も、ラウルと仲良くしてやってくれ。
……さて、少し話しすぎたかな。そろそろ予鈴が鳴る頃だ、授業には遅れないように。また今度時間かあるときにゆっくり語らうとしよう」
そう言うとハンナは軽く手を振って元来た廊下を歩いていった。
時間を確認してみれば、確かにぼちぼちいい時間となっている。少し急いだ方がいいかもしれない。
「会長も行ったし、俺達も行くか。といっても次で最後だけど」
ラウルの声に従い移動を始める一行。
とはいっても、最寄りの転送陣から格技室まで跳ぶだけなのだが。
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