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そして隣りの席を見ると、一見優しそうに見えたがそれ以前に全てが貧乏臭い。
まあ、少しカッコイい気はしますけど。
こんな人と隣り同士なんて最悪ですわね?
私がウザイと言わんばかりの視線を贈っていると、そいつは私の視線に気付いたのか私の方を向いてきた。
「あ、あの?何か?」
そいつは顔も声も、何もかもが優しかった。
それでも、所詮は貧乏人!私に話し掛けるなどの身分違いですわ!
「ふんっ!私に話し掛けないで下さる!あなた、頭が高いです!今すぐ土下座しなさい!」
「…………へ?」
そいつは、私の言葉を聞くとキョトンとした顔になった。
そして、そんな私とこの貧乏人の会話を聞いていたのかクラス全体が大笑いした。
高笑いを聞きながら唖然としているそいつに、私は更に追い討ちを掛けるように言葉を投げかけた。
「あら、日本語が分からないのですか?あ、貧乏過ぎて小学校も行けませんでしたの?」
その言葉を聞いたクラスの生徒達は更に大笑いし、笑い泣きしている生徒もいた。
そんな中、そいつだけは平然とした顔をしていた。
「確かに家は貧乏だけど、流石に小学校は行ったよ?」
それを聞いた生徒達はまたまた大爆笑。
だが、反論された事にイラついた私が更に言葉を発しようとした時、『お前ら、席に座りやがれ!』と言い女性が入って来た。
綺麗な顔立ち。サラサラしている短い髪。そして何より、大きな二つの山。
私でも、まぁまぁ綺麗だと思ました。
ですが、私程では無いのです!
心の中では勝っているつもりだったが、周りの男子生徒は違った。
女性が教卓の前に立つと男子生徒は『うおぉぉおーー!』と大声を上げ、明らかに私の時より、テンションが上がっていた。
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