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するとシルネさんは少し考え込むような仕種をすると、急に何かを閃いたような表情になり、こちらにいたずらを考えたような楽しそうな笑みを浮かべてこう言った。
「そういえば……今日の食材が切れていましたね……いつもなら私が買いに行くのですが、生憎買いに行けそうにありません……そうだ!レン。買いに行ってくれませんか?」
今何と言った?
この俺の前に居る笑みを浮かべたメイドさんは聞き間違いで無ければ買いに行けと言ったはず。
詳しく言えば「外に出て買いに行って下さい」と言ったのだ。
「シルネさん、それは…「あれレン?私の言うことが聞けないのですか?そんな訳無いですよね?ならとっとと行ってきなさい」」
メイド服の何処からか出した財布からお金が渡される。
そしてお使いのメモを受け取ると、「じゃあ行ってらっしゃい。あまり遅くならないようにね」と言われた。
その言葉を言って立ち去ろうとするシルネさんの背中に向けて俺は叫んだ。
「……ありがとうございます!!」
シルネさんは何も言わずに部屋のなかに入って行ってしまったので、誰にも見つからない内に出発した。
玄関のドアを開けると……そこには知らない世界が俺を待っていた……。
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