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さて試してみるか……。
俺は羽の形にした風魔法を背中へと付けるように身体の中を通し持っていく。
大きさは俺の身体と比べるとたいしたことはないが、パワーはだいぶありそうだ。
俺が軽く羽に力を込めると、身体が少し地面から浮かび上がる。即ち成功したという事を表していた。
ぐんぐん上がっていく高度。今まで視界を塞いでいた木々よりも高く舞い上がり、遠くまで見えるようになる。
「よし。成功したな……さて町はと……」
360°回転しつつ空中から周りを見渡すと、それはそれは綺麗な景色だった。
屋敷からでは見ることの出来ないこの広大な景色。感じることの出来ない空気。なにより、何処までも続いているという証のような地平線が興奮を誘う。
「これが……外かぁ……」
つい感動して声が出てしまったが、時間がなくなっても困るので、そろそろ当初の目的を果たすことにした。
周りを再度見渡すと、一部分だけ木々がない場所があった。
やっと見つけた……だけど空中から入ったら驚かれそうだから近くに降りて、歩くことにするか。
そして手前二百メートルくらいで降りたつと、また町に向かい歩き始めた。
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