始まりは突然に

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「…………はぁ?」  女神に話しかけられて正気に戻った少年……秋水 麗はあまりの唐突さにすっとんきょうな声をあげた。 「貴方は選ばれました」  聴こえなかったのだと判断したのか女神はもう一度繰り返して言った。 「いや何に?」  今度は言葉の意味を理解したのか麗はそう聞き返す。 「世界にです」  女神は微笑みを浮かべたまま端的質問に答えた。 「いやいや、答えになってないから!ここは何処でどうして俺はこんな場所にいてそしてあんたは誰だよ!知っているなら一から十まで説明してくれ!!」  麗は突然の状況で意味の分からないことを言われてパニックを起こし軽くキレ気味になって矢次に質問した。 「まあまあ落ち着いてください。ちゃんと説明しますから……怒ってもなにも良いことありませんよ」  女神は全く動じず笑顔で麗を制した。  麗はその笑顔に一瞬ドキッとしたが誰のせいで怒ったんだと心のなかで呟いた。 「さあ誰のせいでしょうか?」  女神はニコニコ顔のまま分からないといった表情で言った。 「ナチュラルにヒトの心を読むな」  パニックを通り越して逆に冷静になった麗は心を読むという行為を自然に受け入れたようだ。
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