此処は古本屋

5/32
前へ
/157ページ
次へ
僕は古本屋に久々に入る事にした、やはり引き戸の立て付けが悪くなかなか開かない、何かコツでも無いのだろうか? 内に入ると、まず目に止まったのが沢山の本が飾ってある本棚だった。 本棚に挟まれる様に、奥にはカウンターがあり先程の男性が顎を擦りながら本を読んでいた。 内はいかにも古本屋の匂いがした。入り口の左側の隅にショーケースがあり、いつ発行されたのか解らないくらい古い本が大事に保管されていた。 僕は三歩程前に進み、本棚に飾ってある本を眺める。 有名なものが数多く並べられていて、作者ごとに綺麗に整列されていた。 僕はその中から一冊の本を取出し、パラパラとページを捲る。 新品のあの、パリッとした感じは無く、色褪せた(いろあ)ページがゆっくりと捲られていく。
/157ページ

最初のコメントを投稿しよう!

35人が本棚に入れています
本棚に追加