古本屋のおかしな店長

此処は古本屋

大きな本屋が出来る事など聞いた事が無い、第一大きな本屋とはどう言ったものか想像が出来なかった。

男性は、壁に押しピンで止めていたカレンダーで、来週の土日を指差した。

｢この日に、この街にとある動物が動物園から脱走してくる。私はそれを捕える為に土日を休みにしたんだ｣

男性は動物を捕える為に土日を休みにしたのだと言う。じゃ、今までの『年中無休』は何だったのだ？
しかも、此処の街周辺には動物園なんて無いし、一番近い動物園でも二つ隣の県にある。例え動物園から動物が脱走したとしても、この街まで果たして来るのだろうか？

｢動物園なんてこの街の周辺にはありませんし、いきなり土日を休みにするだなんて………｣

｢そもそも、『年中無休』の看板立てたのは私のお祖父んさんだからね、お祖父さんが去年に亡くなって、私がこの古本屋を継いだ。土日休めない年中無休がキツくてキツくて、まぁ、色んな理由があるけど、動物を捕まえるのが一番の目的だよ｣