轟懸かりの陣

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信繁「…なっ!敵は速い!兄上!指示を!」 晴信「我が陣型は鶴翼…と見せかけ五重槍…」 晴信はブツブツと独り言のように言うと 晴信「信繁!全軍に通達!鶴翼では敵に食い破られる!鶴翼と見せかけ射程圏まできたら五重槍の陣に変えるのじゃ!」 信繁「はっ!」 晴信の部隊は陣型を変えるのがとてつもなく速い 一糸乱れぬ動きとはこのような軍団のことを言うのだろう 朝信「む!頭!敵は陣型を変えるつもりです!」 景虎「…」 その様子を長尾本陣営の矢倉から戦場を見渡すものがいた 新だ 新「景虎の想像通り!鶴翼は囮だったな!その後はおれの読み通り重槍になれば勝機確実!」 数分前… 景虎「わしの勘だと、武田は鶴翼は囮で他の陣型に変えてくる」 新「ふむ。多分厚みを作るつもりだろうから重槍だろうね」 この会話に家臣たちからどよめきがおこる 家臣「なんなんじゃこの童は…御館様と作戦を練るなんて…」 景虎の軍略は独自のもので、一般人からしてみれば理解できない軍略であるが、家臣らは常に景虎を信じ付き従っていたため気にしていなかったが、急に現れた二十もいってないような童が対等に話していることが不思議でならなかった
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