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確認時刻は?今から一時間前?突然現れたって…こんなデカブツが?
書類の束がひらりと舞えば、コーヒーの飛沫もスーツに飛ぶ。ここ気象庁の観測所はさながら戦場と化していた。
つい一時間前、日本にほど近い近海で、もはや台風と呼んでいいのかもわからない超大型の台風が観測された。
現在は太平洋沿いをゆっくりと進み、その勢力を増しながら日本へ向かっている。
予想される被害は震災以上だろう。人どころか車まで飛ばしかねない勢いだ。
問題はその台風の出現と同時に、気象庁のPCへ送られてきた一通のEメール。内容はこうだ。
「初めまして、こんにちは。
気象衛星が私の頭の上を飛び回って嫌になっちゃう。
あまくみないでよ?本気なんだからね。」
一見して意味がわからない。
気象衛星が頭の上を飛び回っている?
何千メートルも上にあるものを普通、気にするだろうか?
ましてや気象庁のPCに一般のEメールが送られてくることはない。差出人は「メロウ」となっているが、心当たりはない。
「差出人の特定と被害予想を政府へ知らせろ。急げ。」
この風のなか避難勧告に出るのは自殺行為だが、それが仕事だ。
国民に現状を伝えなければならない。ただし、生きて帰れたら…だが。
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