はんこうよこく、そのいちのつづきのにのつづき

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はんこうよこく、そのいちのつづきのにのつづき

 雨と風が止んだ。と思って顔を上げたら雲が晴れていた。  地面は相変わらず水浸しだが水は静かに流れている。 「雨、止みましたね。」 「そうだな。」  20年以上生きてきたがこんなことは初めての経験だ。  死者何万人となってもおかしくなかった災害が一瞬で消えたのだ。 「狐の嫁入り…か?ずいぶんと豪勢な祝いだったな。」  雨具を脱いで煙草をだす。箱はびしょ濡れだが中身は問題ない。ライターも無事に火がつく。  吐き出した煙を目で追った。  視線の先には明るい色をした物体が宙に浮いている。 「は?」  見たと思った次の瞬間には消えていた。なんとなく人が2人見えたのは気のせいだろうか。 「2人いましたよね?」 「疲れてるんだ。きっと。今日はあがっていいぞ。」  アルコールでも入れれば頭も冴えるだろう。夕日が見せた蜃気楼だ。 おわり。
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