信頼

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『・・・・入ってくれば?』 小さく音を鳴らした窓。 パチンと指を鳴らす音とともに窓の鍵が開いた。 カラカラ 窓がスライドし、風が流れてカーテンがなびく。 『満月・・・』 目を見開いて・・・食い入るかのように夕陽は私を見つめた。 『なんで・・・驚いてるの? そんなにたくさんの能力を持ってるんだから・・・ とっくに知ってたんじゃないの?』 夕陽がワンダーランドの住人って分かって・・・ たくさんの能力を持っていると知って。 そのときから、【もう見抜かれてたんだ。】ってずっと思っていた。 『そんな・・・理由もないのに、人の心を見たりしないよ。 思ってもいなかったから・・・満月、お前――』 窓枠を超え、部屋に入る夕陽。 『――記憶、戻っていたのか・・・』 ねえ、ママ。パパ。 二人はいつも私たちの事を考えて行動してくれたね。 ・・・ねえ、満陽。 なんで私を助けたの?半分だけ残っても・・・意味ないじゃない。バカ。 .
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