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『まったく・・・』
ボフッと再びベッドへ身を預ける。
『あんなこと・・・言ってても。』
視界が、歪んだ。
『私の・・・お兄ちゃんじゃないくせに。』
小さく、小さく呟いた。
『血、なんて・・・繋がっていないくせに。
本当の兄妹だったら、こんな・・・仲良くないくせに。』
瞳から暖かいものが溢れる。
『みんな、みんな大好きなのに・・・
私はみんなのお荷物にしかなれない。血の繋がりもない。
お母さん、お父さん、お兄ちゃん・・・・
大好きなのに・・・』
ママ、パパ・・・満陽。
みんなのこと、忘れたくないのに。
カタ・・・ッ
小さく、窓が鳴った。
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