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「これでいいか…」
とりあえずこの粗大ゴミもどきをベッドの上に寝かせて毛布を掛けてみた。
俺だって2月下旬のこの時期に、外の冷たい床の上に人を放置しておくほど鬼じゃあない。
(起きたら帰ってもらおう)
本当は、部屋の入口からどかしたら放置しても良かったんだが…
何しろ、ぼろぼろの紺色ジャージを着てぶっ倒れていたそいつが、かついでみたら思った以上に軽かったから。
(栄養失調…?)
気を失っているだけで、脈拍も呼吸も安定している。ただの栄養失調だとしたら、あまり恵まれない環境に居るのかと思って――放っておけなかった。
たぶん高校生ぐらいだろう。血の気のない寝顔は幼さを残していて、体もまだ発育途上という感じだった。
今時珍しい黒髪だ。切りに行っていないのか、伸びた前髪が目元までかかっている。
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