イチ

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「ちょっと待て、家どこ?交通費は?」 玄関でスニーカーの紐を結ぶ後ろ姿に急いで話し掛ける。 「歩いて帰りますから大丈夫です」 「その状態で歩いたらまた倒れるでしょ。車で送るよ」 「いえ、いいです、本当に」 「でも道分からないだろう」 「なんとかします」 「なんとかって…」 やっぱりおかしい。たぶんこれはあれだ、憶測するに――
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