イチ

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(しかし綺麗な目だな…ガラス玉みたいだ) 「とりあえず今日は遅いし、泊まっていきなよ。明日になれば気が変わるかもしれないし、な」 「…すみません、ありがとうございます。えっと…」 「あぁ、俺は南東(みなみ あずま)ね」 「…ミナミ先生」 「先生はやめろよ。東でいいよ」 「アズマ先生?」 「いや、だから先生つけんなって」 ちょっと呆れ気味にツッコミを入れてやると、そいつは眼鏡の奥でくすりと笑った。 「じゃあ、アズマさん。ありがとうございます」 柔らかい笑顔でそう言われて――正直、ドキっとした。
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