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桜の香りがどこからともなく、鼻を更に擽らせた。手紙からか、近くに咲く桜からなのか。
手紙には、一枚の写真と手紙と、そして2つの小さな鈴がついたリボンが入っていた。
金は手紙を読み始めた。
「いきなりの手紙に驚かせていると思います。驚かせていることにごめんなさいね。~
~今、母ちゃんは猫学座という一座と共に旅をしています。あの時、二匹(ふたり)を置いていってしまったことを悔いています。
ずっと気になって気になってたんだよ。
元気してるのか。ちゃんとご飯食べれているのか。虐められたり、何か怖いことにあってないのかと心配でいたのよ。ほんとにこんな母ちゃんでごめんね。置いていった癖にこんなことを思ってしまう母ちゃんを許しておくれ。あの時はどうしても連れていけなかったんだよ。まだ小さいお前たちを巻き込みたくなかったんだよ。だから、託してしまったんだ。
でも、今思うとすごく母ちゃんは間違ってたと思う。お前たちをどんなにか苦労かけさせてしまってんだとね。
風の便りでね。お前たちがとある町の翁屋っていう宿で、門番をやっているときいてね。
母ちゃんは思わず、手紙を出してしまったんだよ。~
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