四匹目 配達猫

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~元気で立派でいるんだと思ったら、いてもたってもいられなくてね。 すぐにでもそこにいきたいんだけど、それはできないから。 だから、手紙に想いを託したの。 いつかまた、きっと逢えることを願い、想ってる。いつまでも元気いっぱいで、兄弟仲よく、体に気をつけているのだよ。ずっとお前たちのことを想ってるよ。私の愛しい子供たちよ。どうかこんな親だけど母ちゃんと呼んでおくれ。~ 母ちゃんより」 紛れもなく、別れし母ちゃんからの手紙だった。金は目に涙を浮かべながら、銀は目を輝かせながら、手紙を見つめていた。 「金兄。母ちゃん、元気なんだね。僕等のことちゃんと覚えてくれてた。」 「そうだな。銀。」 そういって金は銀の頭を撫でてやった。 二匹は空を眺め、桜薫る風に身を寄せながら、母に思いを馳せていた。 懐かしく、心地よく、穏やかで甘い香りがよくしていた、小さい頃の母のことを。 あの時も丁度、今みたいに桜薫る風が舞う、残桜の頃であった。 銀は突然に、金の方を見やると、 「金兄!僕、決めた!やっぱ、母ちゃんに逢いたい!だから、母ちゃんを探しにいく!逢いにいく!」 「銀!?」 突然のことに金は目を丸くしていた。 だが、その気持ちは金も同じくして持っていたのだった。 残桜の花を風に乗せ、香りとともに春風は、夏の蒼き緑へと転じていた。兄弟の想いに後押しするかのように。 二匹の首もとには、贈られてきた鈴リボンを巻きつけて、鈴音を凜と風に揺らし鳴らして。
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