三匹目 創手猫

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「何するんだ!」 頭を撫でられたことに更に、照れが生じたらしく、金は更に照れ隠しのため、白を睨む。 「ん?来たばかりなのに、もういっちゃうの?白さん。」 銀は、 ~久々の再会にうれしかったのに、いきなりいっちゃうなんて、淋しいよ~ そう想いながら、白を見つめた。 「いきなりきて、またいきなり去ることをお許しください。私には時間に限りがあるのです。ほんとはもっといたいのですが。 これも決まりですから。」 そういって、少し淋しそうな表情で更にあとずさる。 「決まりってなんだよ。いきなりきて、去るなんざ、勝手もすぎないか!銀を悲しませやがって!」 金もどこか淋しそうな顔をしつつ、それを隠すように白に対して、罵声を飛ばす。 「金兄。いいよ。白さんだって、何かあるんだよ。それでも僕らに逢いにきてくれたんだよ。それだけで十分じゃない。ねえ。金兄。」 そういって、金を宥める。 白は少し哀愁の眼をして話す。 「また逢ってくださいね」 そういいながら、白は尻尾を振り、去っていった。 ~あの子達に、素敵な巡りを送ることにしよう。また、春の花びらが舞う頃に、あの子達の成長を見にいこうかな~
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