神都

1/1
前へ
/29ページ
次へ

神都

ジグは己の力を発揮するため、 ひとつのシステムを作り上げた。 今は[神都]と呼ばれる首都の宮殿内に [巫女]と言う部署を置き、 ジグの[御告げ]を伝えさせた。 [巫女]は ジグの熱狂的な信者の中から30人ほど選出され、 身の回りの世話も含め外部との連絡を取った。 30人と人数を決めたのは、 20人ほどの人間の真摯な祈りがあれば、 ジグ自体に危機が訪れた場合に それを回避できる事が分かったからだ。 彼女達ひとりひとりに腕力は無いが、 ジグにとっては強力な護衛であった。 また 宮殿内に男性を入れなかったのは、 自分を神格化する為と 野心の道具にされる事を嫌ったからだ。 … ジグは1日に3回の祈りの時間を決め 国民に祈らせた。 自国民の 肉体の細胞を若く維持するための祈りで、 これによって老化や病が一掃された。 また、 食事をしなくても生命力が維持できるため、 食べるための労働をする必要が無くなった。 … 老人の肉体は、 代謝の盛んな十代後半の年齢程度にまで若返り、 それよりも若い子供達は 十代後半になると成長が止まった。 … 労働に割かれていた時間から解放された人々は、 与えられた時間を文化的な事に使った。 街では若者で溢れ 絵画や音楽が溢れ 若返った老夫婦は 更なる愛を確かめ合った。 人々はジグに感謝し、 この新しい 自由と愛の世界を感謝した。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加