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宗教戦争
ジグを中心に国がまとまった頃、
他の国はジグの国を驚異と見ていた。
自国にもジグの信者が増え、
危機感を持った既存の宗教団体
は政府に対し猛烈に圧力をかけた。
…
各国はジグの宗教をカルトと指定し、
国内での締め付けを始めたが、
信者の数は増える一方で、
歯止めがきかなかった。…
ついにはジグの国への渡航を禁止し、
国内の信者を弾圧しはじめた。
「我が信者達が弾圧を受けております」
「…そうですか…助けてやりたいですね…」
「我が国から外交的に抗議を致しましょうか?」
「…それはたいした効果は無いでしょう。
それより、皆の祈りを…
奇跡を起こしましょう」
ジグは祈りのテーマを決めて、
国民に知らしめた。
次の日…
ジグの国の人々は、
ひとつの願いを一心に祈った。
…
光の波紋が、ジグを中心に世界へと広がった。
…
「だ…大統領‼大変です‼‼」
「どうしたんだ」
「国民の個人データが…
全て…消えてしまいました…」
「…分かる様に説明せんか‼」
ジグは
世界中のパソコンデータから、
個人情報を全て抹消した。
書類を使わず処理を行っていた国ほど、
大きな被害を受けた。
…
税金や年金や福祉関係のデータ、
預金のデータなどが消され、
現金を引き出す事も
カードで決済する事もできなくなり、
人々はパニックにおちいった。
また
重要な研究施設や政府関係のセキュリティーは
個人を識別しなくなり、
建物の中へと入れなくなった。
…
世界の警察を自負する
大国の大統領は、
これを
サイバーテロ
と判断し、ジグの国の宣戦布告だと受け止めた。
また
その他の国々も大国と同盟関係を結び、
ジグの国を敵国とした。
大国の大統領は宣言した。
「これは聖戦である。」
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