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僕は振り返り綾香さんを見ると綾香さんは俯き、なにかブツブツと呟いていた。
「綾香さん」
僕が呼びかけると綾香さんはびっくりした様子で反応した。
「は、はひぃ」
なんか綾香さんかわいいなと思いつつも、さっきから気になることを聞いた。
「今、社長を待たせてるんじゃないですか?
社長室を出て、随分と時間が経っていると思うんですが」
それを聞いた綾香さんはメイクルームに掛けてある掛け時計を恐る恐るといった風に見る。
すると、綾香さんの顔がうすい赤色から青色に変わっていく。
「うわぁぁ、お母さんに怒られる」
それを言うとすごい慌て始めた。なんかさっきから綾香さんは恥ずかしがったり、びっくりしたり、慌てたりと忙しい人だなと思う。
そんな綾香さんを見て、ついうっすらと笑ってしまうが今はそれどころじゃないと思い直す。
「綾香さん、落ち着いて。僕も片付け手伝うから」
そう言って綾香さんを落ち着かせた後、すぐにメイク道具などを片付け、急いで社長室に向かった。
エレベーターに乗ってる間、綾香さんは呪文のように、早く早く早く早くと呟いていたのは聞かなかったことにしよう。
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