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大「すいません。遅れました♪」
?「早く座れ、クズ野郎」
台無しだ。
?「聞こえないのか? あぁ?」
それにしてもなんて物言いだろう。いくら教師とはいえ礼を失しているにも程がある。
僕は教壇にたっている男を睨み付けた。
背は以外と高く、180センチ強くらいで、やや細身ではあるがガッシリしている。ボクサーのような機能美を感じる。視線を上にやると、現れたのは意志の強そうな目をした野性味たっぷりの顔。短い髪の毛がツンツンと立っていて、まるで『鬣(たてがみ)』のようだ。
大「……………啓太、何やってんの?」
彼は、僕の悪友、瀬戸啓太だ。決して教師じゃない。
啓「先生が遅れてるらしいから、代わりに教壇に上がってみた」
大「先生の代わりって、啓太が? なんで?」
啓「一応このクラスの実力1位だからな」
大「え? それじゃ、啓太がこのクラスの代表なの?」
啓「ああ、そうだ。これでこのクラスの全員が俺の駒だな」
啓太はそう言ってふんぞり返り、床に座っているクラスメイトたちを見下ろした。
---------そう、クラスメイトは皆、床に座っている。
何故か? それは、教室に椅子がないからだ。
大「それにしても……流石は6組…………」
とりあえず、座るところを探そう。
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