第1闘

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東「遅刻はな。ほら、受け取れ」  先生が持っていた箱から封筒を取り出し、僕に差し出してくる。宛て名の欄には『有明大斗』と、大きく僕の名前が書いてあった。 大「あ、どーもです」  一応頭を下げながら受け取る。 大「それにしても、どうしてこんな面倒なやり方でクラス編成を発表してるんですか?掲示板とかで大きく張り出しちゃえばいいのに」  こうやって一人ひとりに所属クラスを書いた紙を渡すなんて、面倒なだけだと思うけど。しかも、封筒に入れてあるし。 東「普通はそうするんだけどな。ウチは世界的に注目されている最先端システムが導入されているからな。この方法も、その一環ってわけだ」 大「ふーん。そういうもんですかね」  適当に相槌をうち、封に手をかける。さて、僕はどのクラスなんだろう?  少しドキドキする。  なぜ緊張しているかと言うと、僕の通う飛鳥高校では、クラスが1組~6組まであり、2年生からは学期末試験の成績順位で1組からクラスが決まっていく。 学期末試験では、一般科目(国、数、英、社、理等)の試験をおこなう学科と、試験官と決闘をする実技がある。  つまり、1組が1番賢く決闘が強く、決闘が弱くバカなのが6組だ。  男のプライドにかけて、6組にはなりたくない。
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