王子様とオルタンシア

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移り気に頑なな言葉を紡ぐオルタンシア。 事実に近い言葉を紡ぐお姫様。 忘れたい。 知りたくない。 塗り替えたい。 色を変えたい。 紫陽花のように。 「事実は変わらない。お前たちの“真実”が偽り」 『真実は真実。私はお姫様。王子様のお姫様』 「僕はお姫様の王子様」 『生まれた時に無くした瞳』 「生まれた時に忘れた瞳」 『大好きよ。王子様が』 「大好きだ。お姫様が」 『これが私たちの真実』 「これが僕たちの真実」 「ならば事実を突き付けよう。オルタンシア」 王子様は哀しげに口を開く。
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